歯が抜けてしまった場合に
人工物を使わず自分の歯で補います。
移植には親知らずや
埋まっている歯を使用します。
歯が抜けてしまった場合に、嚙み合っていない親知らずなどを移植することで抜けた部位を補うことができます。
本来は義歯やブリッジ、インプラントなど人工物で補うところを天然歯で補うことができ、周囲の歯の負担にもなりません。
次の1本の抜歯を遅らせるという意味でも、非常に有意義な治療法です。
保険診療での歯の移植は、基本的に親知らずか埋伏歯(埋まっている歯)に限られます。
これらの移植する歯が健康であることが成功の鍵となるため、既に重度歯周炎に罹患している場合などは移植を行わない場合があります。
また、移植する歯は低侵襲(負担をかけないよう)に抜歯をする必要があります。
抜歯自体の難易度が高く低侵襲の抜歯が行えない場合は、移植の適応外となります。
インプラントはチタン製の人工物を土台にするのに対し、移植は自分の歯を用います。
インプラントは自費の治療となりますが、親知らずや埋まっている歯の移植は保険診療で受けることが出来ます。
人工物ではなく自分の細胞・組織を用いているため、感染や炎症を引き起こしにくく安全です。
治癒の過程で歯と骨が癒着(アンキローシス)する場合があります。
※炎症や症状がなければそのまま経過観察をします。
また、移植歯がブリッジの土台の歯になる場合は厚生局の事前承認が必要です。
万が一承認が下りない場合は、保険でブリッジを入れることができなくなることがあります。
術前
治療終了後
治療前
右下6番を抜歯
移植時
左下親知らずを移植
治療終了後
術前
治療終了後
治療前
右下7番を抜歯
移植時
左上親知らずを移植
治療終了後
もともと歯が欠損している場合は、骨に移植のための穴をあけます。
保存不可能となった歯がある場合は抜歯し、必要に応じて抜歯後の骨形態を整えます。
親知らずなどの移植する歯を低侵襲に抜歯して移植します。
移植後は2〜3週程度で根の治療を開始し、生着の程度を見ながら最終的には被せの治療を行います。